RYOMA

高知家ビジネスプランコンテスト(イノベーション部門)

株式会社Nextremer 代表取締役 向井社長インタビュー

今回は高知県で人工知能・AI技術を活用した対話エンジン事業を展開されている株式会社Nextremer 代表取締役 向井様に、高知県での事業展開の特徴についてインタビューさせていただきました。 Nextremerは高知県では珍しい、AIテクノロジーを活用する会社です。高知県でIT領域やテクノロジービジネスを展開する際の特徴などについてお話しをお伺いしました。

-Nextremerの描く『人”高知”脳』計画-

まず貴社がどのようなビジネスを展開されているのか、お聞かせください。
2012年10月に創業しているので、丸4年。東京・高知・インドで対話エンジンの事業を展開しています。コアの技術は自然言語処理です。人工知能の要素技術を組み込んだ対話エンジンを画像認識技術と共に様々なニーズの中に組み込んで行っています。 前から見ると結構ポップな会社に見えるのですが、実際にやっていることはかなり理系で、大手企業や大学と共同研究なども行っていたりします。対話エンジンの活用されているケースを具体的に言うと”喋るサイネージ”のような音声インターフェイスや、チャットボットなどです。

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東日本高速道路株式会社と共同して手がける「対話接客システム」

どのような経緯・理由で高知県に拠点を持つようになったのか、お聞かせください。
高知に拠点を持つようになったのはぶっちゃけなりゆきだったんです(笑)。高知で代表をやっている人間も私も高知県出身ではないですし、2年くらい前まで四国に行ったこともなかったですから。 ただ、今は様々なところからお声がけをいただけるようになったのですが、高知に展開した2015年初頭は、まぁ正直言ってまだジリ貧だったんですよ。そんな時に高知出身のエンジニアが「高知に戻ろうかと思う」と言うので、だったら「高知で一緒にやろうよ」と、そこから入っていきました。高知県に呼ばれたわけでも何でもなくて、僕らが勝手に行ったっという(笑)、そういう理由です。とはいえ、最近徐々にですが「Nextremerは高知の会社だ」と認識されるようになってきましたね。 戦略的には「人”高知”脳」、つまりAIですね。こういうことを以前からダジャレのようですけど言っていて、周りも結構取り上げてくれたんです。ここまできたらもう帰るに帰れないじゃないですか。そうこうしているうちに結構いいんじゃないのとなってきて、評価もいただけるようになっていきましたね。

-地方維持ではなく地方創生に取り組むことによって人材が集まる-

事業立ち上げの際にハードルなどはありましたでしょうか?
実は初めのうちは周りを敵に回すようなこともやっていまして。というのも地方展開をしようとした時によくある、”単純化されたコストセンター”のような下請け組織をつくり、地方展開するというモデルを正面から否定していたんですね。変な話IT業界は下請けの下請けの下請けという業界構造があったりするので、単価が安いといった形態を地方に持っていくのは、「地方創生ではなく地方維持じゃないか」という持論があったんです。そんなことをやっていても先細るだけ、といったことを言うと周りから「あいつら何なんだ」と言った感じで反感を買いました。けれどそういったことをやっていると変な話、反対にエンジニアがどんどん集まってきたんですよね。尖っているエンジニアが。きっとそれくらいやらないとダメです。技術特性を活かした研究的には最前線におりますし、地域的にも社会実装に向けた最高のフィールドだよね、というのもあって人がどんどん集まってきたんですね。
高知県が社会実装に向けた最高のフィールドというのはどういうことでしょうか?
対話の領域とは違うんですが、例えばですよ、「自動車の自動運転技術・センシング技術」を考えたとき、社会実装に当たって考慮が大変なのは”普通に運転している車”の存在なんですよね。自動運転システムにとって、マニュアル運転は例外なので、人間様は何をするかわからない。 で、そうなった時に、例えば「東京でマニュアルの運転を禁止します」、となったらこれはもう大変なことじゃないですか。現実的でない。でも高知だったらむしろウェルカムという側面があったりするわけですよ。
例えば田舎で本当に高齢者のドライバーしかいないという状況になると、逆にもう禁止にしちゃって自動運転にしちゃえば、と言った形ですよね。

そうです、そうです。そうするとゴルフ場のカートのような感じで一気に楽になる。そういう意味では、社会実装に向けた実験や研究という面としての価値はむしろ都会よりもずっと高いと思うんです。

%e5%9b%b32Nextremer 向井代表取締役

-高知県は”馬鹿者”と”よそ者”を受け入れてくれる優しい土壌がある-

高知県をフィールドにした事業展開という意味では、「周囲からのサポート」はいかがでしたか?
こんなことをしてると、みんな応援してくれますね。例えば銀行なんかに行くと東京だったら普通の窓口業務的に対応されますが、高知県だと話によってはトップが直接対応してくれますから、一気に話が進むこともあります。そこは地方の優位性かなと思っていますね。 なんというか野球で言いますと、いわゆる”甲子園に行くまでに疲れない”といった感じですね。みんな応援してくれますしね。
高知県の方は応援してくれやすい気質を持っていると感じていらっしゃるんですね。

そうですね。それはもう地域の特性の話になりますけど、高知の人は新しいものやチャレンジャーに対して優しいですね。優しい人々の土壌があると思います。銀行もそうですし、県庁も優しいです。県知事も会ってくれますし。 あとみなさんクリエイティブですね。やっぱり。我々の携わっている「人とコンピューターとの対話」という領域は、まだ始まったばかりなので、そう言った黎明期には、クリエイティブな人材が必要になってくるんです。高知県の方はクリエイティブです。

%e5%9b%b33社内には研究色の強い理系の本がずらりと並ぶ

人材という面でいくと他にはどんな事を感じていらっしゃいますか?地域の方々は人口知能など、テクノロジーの領域についてどれくらい理解度が進んでいるんですかね?
テクノロジーへの理解という意味でいくと、もちろん全員が全員理解してはいないですが、上澄みの人たちは完全に理解していますね。東京だと理解ある上澄みの人たち5000人を、50万人の中から探し出して雇用するといった感覚ですが、高知の場合だと、10人の上澄みを独占しているというイメージに近いです。 あと人材は正直優秀ですね。大学の学生さんも優秀です。 変わった話に感じられるかと思うのですが、地域だと、コーディングができる人材が「大学を出て3年間家にこもってました。山奥にいました。」とかって場合があるんですよ。それを「ちょっと山から降りてこい」みたいな感じで、一緒に働いていたりします。もちろん優秀な人材は都市・地方に関わらずたくさんいますが、高知はそういう人が多い気がしますね。高知県の方々は「馬鹿者とよそ者を受け入れてくれる」土壌があるなと感じています。
RYOMAにエントリーする方へ向けてメッセージをお願いします。
とにかくやってみたらいいんじゃないですかね(笑)。新参者を受け入れてくれる土壌があるし、優秀な人材もいるし、社会実験を行う環境にもなっているし。プランや熱意があるのだとしたら、やらない理由はないなと、感じます。
確かにお話しお伺いしていて、とにかくやってみるべきと感じました。勇気の出るメッセージをありがとうございます。向井さん、本日はありがとうございました!
 

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Nextremer 代表取締役 CEO 向井永浩(むかい・ひさひろ) 1977年岐阜県中津川市生まれ。金沢大学卒業。2012年10月に株式会社Nextremerを設立。Nextremerは対話テクノロジーを軸に、幅広いアプローチで人工知能における研究開発を行うスタートアップ。AIと人の新しいコミュニケーションチャネルの創出を目指し対話エンジンの開発や対話サービスの提供、そして市場に新たな価値を提案するオープンイノベーション事業の推進を行う。2015年4月に高知AIラボ設立、2016年8月には子会社として人工知能技術開発の為の学習データを提供する株式会社ataremerを立ち上げ、AIを高知の新産業とする人”高知”能計画を推進中。